俺は予定が苦手

丸谷の手記

 

「今週の土曜空いてる?久しぶりに飲みに行こうぜ!オッケー、じゃあ土曜日の19時に駅前集合で!」

 

久しく遊んでいなかった友人に連絡をし、遊ぶ事が決定した。約束の日まで残り3日。

俺の頭の上で「♪」のマークが踊る。

しかし俺の場合、その気持ちは時間と共に変化してしまう。

 

さっきまで、遊ぶか遊ばないかを選べる気楽な立場だったのに、「約束してしまった以上、遊ばなきゃいけない」という“義務”に変わった途端、急に面倒臭さが押し寄せて来るのだ。

 

俺から誘っといて本当に申し訳ないのだが、約束の日時が近づけば近づくほどに面倒くさくなってくる。そしてドタキャンに繋がってしまう。

 

これは友人だけに限らず、お店の予約などにも言える。自分から予約したのにも関わらず、「なんで18時にこの俺様がお店に行かなきゃいけないんだ……」などと思いながら過ごす羽目になる。

 

ここで勘違いして欲しくないのが、電話をする前は本当に心の底から行きたいと思っているという事。友人との遊びもそう。コッチから連絡してるくらいなのだから当然、心の底から遊びたいと思っているのだ。

 

ただ、やはり連絡を取り終えた途端「行かなければならない」という義務が俺の気力を奪う。

 

予定時刻までに身だしなみを整えたり、待ち合わせ場所に向かったりしなければならないという制限がとにかく嫌いなのだ。

 

とは言っても、コッチから誘っといて当日ドタキャンをするのは結構罪悪感が大きいので、めんどくせーと思いながら嫌々行く事が多い。

しかし、たまに向こうからドタキャンされる事がある。これにはガッツポーズである。

おそらく、この世の当日ドタキャン野郎どもは皆、俺と同じタイプの人間なのだろう。その気持ち、痛いほどわかるぜ。

だから俺はドタキャンをされても1ミリたりとも相手を責めない。(旅行の予約をドタキャンされた場合のみ暴行する)

 

そんな考えなら最初から誘わなきゃいいのにアホかコイツと思ってるそこの君に言いたい。その通り、俺はアホなのである。

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